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【新刊選】12月のおすすめの新刊|みみずくは螢の息吹で飛び立つ

小林康夫『若い人のための10冊の本』

お次は、小林康夫による『若い人のための10冊の本』です。おすすめです。読んでいない(新刊紹介なので当たり前)ですが、おすすめです。

とりあえず、「誰?」という感じですかね。

小林康夫についてちょっとだけ

『知の技法』という本があります。東京大学教養学部「基礎演習」のテキストとして編まれた本す。東大の先生方が集まって書かれた本ですが、小林康夫は、編集の中心的な人物でした。

『知の技法』とても話題になりました。東大に限らず、全国の大学に大きな影響力を持ったのです。『知の技法』について、こちらが参考になります。

で、小林康夫は今何をしているのかというと、東京大学の名誉教授になって、その後、青山学院大学の特任教授をやっています。

最後に、『知の技法』の小林康夫の言葉を引いておきます。読書語るもの、常に念頭に置いておかなければならない言葉です。

ある対象についての知識をどれほど仕入れようと、それが普遍性の方へと開かれた表現の手続きに結びついていなければ、それは大学における知の行為とはならないのです。

『知の技法』p.5

高橋英理編『 深淵と浮遊 現代作家自己ベストセレクション 』

最後はこちら。高橋英理編『深淵と浮遊 現代作家自己ベストセレクション』です。

え?自己ベストセレクション?

ってなりますね。面白そうで仕方ありません。作家が自分の自信作をピックアップしているのです。「やっぱりね」とか、「うそー」とか、いろいろ感想があるでしょう。

ですが、一度読んだものでも、「作家自身が自己評価を与えている」という意識を持つと、また違った読み方ができるかもしれません。今まで見えなかった、作家の本質が見えてくることだって、もしかしたら・・・。

ラインナップ

以下、ラインナップです。知っている作家でも、知らない作家でも、ぜひ手に取って読んでみてはどうでしょう。個人的に、筒井康隆は、「やっぱ筒井康隆だな」って感じです。

伊藤比呂美「読み解き「懺悔文」女がひとり、海千山千になるまで」
小川洋子「愛犬ベネディクト」
高原英理「ブルトンの遺言」 
多和田葉子「胞子」 
筒井康隆「ペニスに命中」
古井由吉「瓦礫の陰に」
穂村弘「いろいろ」 
堀江敏幸「のぼりとのスナフキン」
町田康「逆水戸」
山田詠美「間食」

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